第2回 システムズエンジニアリングは、なぜ必要とされるのか?身近な現場の問題を事例に解説。

第2回 システムズエンジニアリング コラム
一般社団法人JCOSE(Japan Council on Systems Engineering)※では、「システムズエンジニアリング(SE)とは、システムを成功させるための、複数の専門分野にまたがるアプローチと手段のことを指します。」と定義しています。
※一般社団法人JCOSE(https://www.jcose.org/)は、INCOSEの日本支部として、システムズエンジニアリングを日本に普及させることを目的としている団体です。
今回はコンピューターシステムを対象に、社会的な動向、そして皆さんの現場に近い問題を取り上げて、システムズエンジニアリングが必要とされる背景について紹介します。
本コラムはシステムズエンジニアリングとは?の基礎的な内容を数回に分けてわかりやすく解説していきます。
目次
動向:システムの大規模化

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車載システムを例に挙げると、扱うデータ量、単位時間あたりの処理量、通信帯域が、それぞれ指数関数的に増加するという予測があります。それに伴い、システムアーキテクチャも従来よりも複雑化していくことが示されています。
このように、システムの大規模化は今後ますます進んでいきます。
動向:製造者に求められる説明責任

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システムが大規模化する一方で、安心・安全な社会の実現に向けて、製品機能の安全に対する説明責任が厳しく求められています。万が一安全に問題があった場合、その機能がどのように開発されたものなのか、客観的な説明ができるようにしておく必要があります。
Eureka Boxは厚生労働省が実施している助成金、人材開発支援助成金の適用対象となります。
現場で起こっている問題1

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システムの大規模化が進む中、現場ではどのようなことが起こっているのでしょうか。
主なものを挙げると、
- 新しい仕組みを考えて設計したのに、下流工程で機能モレに気づいて手戻りが発生する
- 個別のシステムではうまくいっていたのに、複数システムを組み合わせるとうまく動かない
などの問題が起こっています。
現場で起こっている問題2

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また、
- アーキテクチャを再構築しようとしたけれど、全体を把握できている人がおらず、現状の仕様がよくわからない
- 役割分担を決めたいけれど、どこを境界に分担を分ければよいのかわからない
- 説明責任を果たさなければならないのに、どのように説明すればよいのかわからない
といった問題も起こっています。
みなさんの現場でも同じような問題が発生しているのではないでしょうか。
システムズエンジニアリングのアプローチ

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このような現場での問題に対して、システムズエンジニアリングでは、次の2つのアプローチをとります。
- システムを階層化して段階的に詳細化し、トレーサビリティを確保することで、機能モレを防ぎ、説明責任を果たす、というアプローチ
- 要求に基づきアーキテクチャを設計することで、全体最適を実現し、組み合わせの不整合を発生させない、というアプローチ
システムズエンジニアリングは、これら2つのアプローチによって、現場で起こっている問題を解決に導きます。
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まとめ
システムが大規模化・複雑化している中で、現場ではシステム結合でうまく動かない、システム全体を把握できている人がいない、説明責任を果たせない、といった問題が生じています。
システムズエンジニアリングは、
- 段階的な機能詳細化プロセスにおけるトレーサビリティ確保
- 多数の機能を抱える大規模システムにおける全体最適化
のアプローチで、上記問題を解決に導きます。
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