第5回 USDMを使って、質の良い要求を記述するために必要な3つの要素
第5回 USDMコラム
USDMとは、ソフトウエア開発の上流工程で必要となる、正確な要求記述、要求仕様を定義する技法で、製造業をはじめ多くの企業に導入されています。
今回はUSDMを使って、質の良い要求を記述するために必要な3つの要素を紹介します。
本コラムではUSDMとは?の基礎から応用までを、数回に分けてわかりやすく解説していきます。
はじめに
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要求の構成要素は、「要求」、「理由」、「説明」の3つです。
要求には、動詞を使って振る舞いを表現し、仕様化の範囲を明確に記述します。また、個々の要求を特定するため、固有のIDを振ります。
理由には、関係者間の認識のズレを抑えるために、その要求が必要な理由を記述します。
説明には、背景やエビデンス、動きの事例、前提事項、用語定義など、理解を助ける内容を記述します。
なぜ「要求」「理由」「説明」の3要素?
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では、なぜ「要求」「理由」「説明」の3つの要素が必要なのでしょうか。
「要求を書きましょう」といっても、エンジニアは要求を書くのに慣れておらず、背景的なことを書いたり、単なる説明を書いたりすることがありました。
要求の3要素の枠組みを定義することで、要求には要求を、理由には要求が必要な理由を書き、それ以外の事は説明に書く、という意識がはっきりします。
枠組みに従って記述することで、質の良い要求を記述できるのです。
Eureka Boxは厚生労働省が実施している助成金、人材開発支援助成金の適用対象となります。
理由を書く理由
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要求には、それが必要な理由があります。要求の裏には困りごとがあるかもしれません。要求が実現すると、恩恵を受けることもあるでしょう。
理由の役割は、「要求の洗練」と「正しい仕様の導出」です。要求の書き手は、理由を書くことで、不要な要求を排除したり、より良い要求を導出したりすることができるようになります。一方で、要求の読み手は、理由を読むことで、思い込みや勘違いを防いだり、必要かつ有効な仕様を導出したりすることができるようになります。
要求の書き手と読み手の双方にメリットがある、とても大事な項目です。
理由の書き方
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理由に書く観点・種類は4つあります。
- ユーザーの困りごとの解決です。逆に考えると、ユーザーの困りごとがあるのでそれを解決したいことが要求に書かれているという考え方です。
- ビジネス面でのメリットです。市場ニーズ、事業性の検討結果が要求の理由にあたります。しかし、これだけだと本当に必要な要求かわかりませんので、1つ目とセットにすると良いでしょう。
- 法規や規格で定められた事柄です。定められたことを実現しなければならない、という理由になります。
- それ以外の諸事情です。開発する上でどうしてもさけられない事情があれば、理由として記述します。
このように、理由には様々な観点があり、1つだけではない場合もあります。勘違いを防ぐだけでなく、適切な仕様を導出するためにも、理由はしっかり記述しましょう。
文章の末尾は、理由なので「ため」や「から」という表現にします。
説明の書き方
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説明には、理解を助ける内容を記述します。このような性質であるため、要求や理由のような厳密なマナーはありません。
説明に書くことがらには、事例、アンケートやヒアリング結果、データなどのエビデンス、背景や前提知識、動きの事例、用語の意味などがあります。
説明が必要なことがらがなければ、「特になし」でも構いません。
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まとめ
要求の構成要素には、要求、理由、説明の3つがあり、ここでは理由と説明を取り上げました。
理由には、要求が必要な理由を書くことで、要求を洗練し、正しい仕様を導出できます。そもそも何を解決したいか、ビジネス面でのメリット、法規・規格、やむを得ない事情など、要求の存在理由を必ず記載してください。
説明には、理解を助けることがらを記述します。事例、背景、用語の意味などが主な内容ですが、必要なければ「特になし」でかまいません。
このようなメリットがあるUSDMを是非活用していただきたい為、少しでもご不明な点がありましたら、エクスモーションへお問い合わせください。