第4回 システムズエンジニアリングの考え方Vモデルとは。
第4回 システムズエンジニアリング、MBSE<モデルベース・システムズエンジニアリング>コラム
一般社団法人JCOSE(Japan Council on Systems Engineering)※では、「システムズエンジニアリングとは、システムを成功させるための、複数の専門分野にまたがるアプローチと手段のことを指します。」と定義しています。
※一般社団法人JCOSE(https://www.jcose.org/)は、INCOSEの日本支部として、システムズエンジニアリングを日本に普及させることを目的としている団体です。
システムズエンジニアリング、MBSE(モデルベース・システムズエンジニアリング)とは、「システムの企画段階から運用・廃棄に到るまでのライフサイクルを通じて、全ての技術分野の成果を1つのシステムへとインテグレート(統合)する技術」と定義されています。
今回は、大規模システムを大人数で開発する上で必要な関係者間の共通の理解について、システムズエンジニアリングの基本的な考え方、Vモデルについてを解説いたします。
目次
アーキテクチャ記述言語
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まずはシステム開発における共通言語、アーキテクチャ記述言語について紹介します。
アーキテクチャとは、システムの基本的な概念や特性のことであり、その要素、関係、およびその設計と進化の原則が具現化されたものであると、ISO/IEC/IEEE 42010の中で定義されています。
アーキテクチャ記述言語には、特定分野に特化した言語と汎用的な言語があり、特定分野に特化したアーキテクチャ記述言語の例として、EAST-ADLやAADLがあります。また、特定分野に特化しないアーキテクチャ記述言語の例として、SysMLやUMLがあります。
SysML
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ここでは、代表的に使用されるアーキテクチャ記述言語のSysMLを紹介します。
SysMLは、システム全体のアーキテクチャを記述するのに適した言語です。オブジェクト指向技術の世界的標準団体であるOMGによって策定されました。
ソフトウェア設計のために利用されるUMLをシステム設計のために拡張したものです。「要求図」と「パラメトリック図」が新たに追加され、システムに適するように一部のダイアグラムが拡張されています。
ソフト・ハードなどの対象を限定しないため、あらゆるシステムのアーキテクチャ記述に使えます。
SysMLのダイアグラムは、OMG SysMLの仕様書にて定義されており、「要求図」、「振る舞い図」、「構造図」の3つの分類から構成され、全部で9つのダイアグラムがあります。
アーキテクチャ記述言語まとめ
システム開発における関係者の共通理解・正しい解釈のために、アーキテクチャ記述言語が有効です。
代表的なアーキテクチャ記述言語のひとつがSysMLです。
SysMLは、「要求図」、「振る舞い図」、「構造図」の3つの分類から構成されており、全部で9つのダイアグラムが用意されています。
SysMLは、最も使われているアーキテクチャ記述言語のひとつであり、今後のコンテンツの中でも、このSysMLを用いて解説をします。SysMLも合わせて、一緒に学んでいきましょう。
Eureka Boxは厚生労働省が実施している助成金、人材開発支援助成金の適用対象となります。
システムズエンジニアリングの流れ
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Vモデルは、システムズエンジニアリングの基本的な考え方となります。
Vモデルの左側で、それぞれ「要件定義」、「論理アーキテクチャ作成」、「物理アーキテクチャ作成」を実施しながら、段階的に詳細化していきます。
また、Vモデルの右側で、左側の設計の正しさ、妥当性を試験します。
なお、「オンライン学習のEureka Box(ユーリカボックス)」のシステムズエンジニアリング学習コンテンツでは、この中の「要件定義」、「論理アーキテクチャ作成」、「物理アーキテクチャ作成」について紹介していきます。
システム設計の流れ
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システム設計においては、まずシステム要件の定義で何を作るのか、なぜ作る必要があるのかを定義します。
次に、論理構成要素の定義において、システムに必要な機能を明確にし、論理アーキテクチャの作成にて、制約のない理想的な環境で機能を実現するための本質的な構造や振る舞いを明らかにします。
そして、物理アーキテクチャの作成にて、制約のある現実的な環境で機能を実現するための構造や振る舞いを明らかにします。
システム設計成果物の全体像
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システム設計の成果物の全体像はこのようになります。
なお、株式会社エクスモーションが提供する「オンライン学習のEureka Box(ユーリカボックス)」のシステムズエンジニアリング学習コンテンツでは、システム要件の中では、最終的にUSDMを用いて要求仕様を定義し、論理アーキテクチャでは、SysMLを用いて、システムの構造や振る舞いを作成することをおすすめしています。
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まとめ
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Vモデルは、システムズエンジニアリングの基本的な考え方です。
Vモデルの左側で、それぞれ「要件定義」、「論理アーキテクチャ作成」、「物理アーキテクチャ作成」を実施しながら、段階的に詳細化していきます。要件定義では、達成したい振る舞いを定義し、論理アーキテクチャ作成では、論理構成要素の定義および論理要素間の関係を定義し、物理アーキテクチャ作成では、主に論理構成要素を物理構成要素に配置します。
なお、「要件定義」については、オンライン学習のユーリカボックス(Eureka Box)の「要求記述(USDM)学習コース」にて提供しております。「システムズエンジニアリング学習コース」では、主に「論理アーキテクチャ作成」、「物理アーキテクチャ作成」について解説しています。
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