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『演習で手を動かす』『フィードバックで理解が深まる』ことで、MBSEが身に付いたと実感|株式会社SUBARU様(後編)

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『演習で手を動かす』『フィードバックで理解が深まる』ことで、MBSEが身に付いたと実感|株式会社SUBARU様(後編)
  • 増山 将 様 (技術本部 パワートレイン設計部 MBD推進)
  • 高木 靖 様 (技術本部 パワートレイン設計部 電動システム設計課)
  • 小野内 裕紀 様 (技術本部 E&Cシステム開発部 電子システム設計)
  • 楊 博倫 様 (技術本部 E&Cシステム開発部 電子システム設計)
  • 磯部 直澄 様(技術本部 E&Cシステム開発部 電子システム開発第五課)※別途アンケートでのご回答

課題

社内でモデルベース・システムズエンジニアリング(MBSE)の導入を検討していたが、他社でも完全導入は難しいという話をよく聞いていたため、どこからどう始めたらよいか悩んでいた。

施策

実施プラン:Eureka Box伴走トレーニング(USDM入門、MBSE入門)

→MBSEはUSDMの知識がある前提の学習必須のため、まずUSDMの基礎をスキルとして身に付け、その後MBSEを学ぶ計画。
※増山様・楊様・磯部様はUSDM伴走から引き続きMBSE伴走のご受講、高木様・小野内様はMBSE伴走からのご受講。

効果

  • 基礎レベルから実際に使えるくらいのレベルになるまでの一通りのコンテンツが揃っており、MBSE を始める人にとって非常に有用なコンテンツ。
  • 研修などで演習問題がない場合、自身の実務上で実施してみなくてはいけないが、Eureka Boxは演習問題で実際に手を動かして知識と繋げていけることで知識の定着が出来た。
  • 伴走トレーナーから、毎週フィードバックや学習計画のアドバイスが来ることで強いモチベーションになり、理解が深まった。

MBSE伴走トレーニングのご印象・ご感想

-本日はお時間を頂き、ありがとうございます。
前編のインタビューの際は、まずUSDM伴走トレーニング→その後MBSE伴走トレーニングを受講頂く計画のうち、USDM伴走トレーニング実施完了のタイミングでインタビューをさせて頂きました。
後編となる今回は、USDM伴走後の、MBSE伴走まで一通りご受講頂いてのご感想をお伺い出来ればと思います。
まずは、MBSE伴走トレーニングのご印象・ご感想について、増山様からお一人ずつお伺いさせていただきます。
SUBARU|増山 将 様 (技術本部 パワートレイン設計部 MBD推進)
増山様

[増山様]
本当の基礎の基礎から教えていただいたという印象があって、非常にわかりやすかったという印象を持っています。
受講以前には、MBSEの参考書・教科書や、各社で開催しているセミナーにも参加して、理解しようと思ったのですが、そういう本を読んだりセミナーを受けただけでは「何のことを言っているのかよく分からない・・・」というのが正直なところでした。
今回の受講で、そういった疑問点、「こういうことを言っていたのか」というのがよく理解出来ました。
ですので、基礎レベルから実際に使えるくらいのレベルになるまでの一通りのコンテンツが揃っており、MBSE を始める人にとって非常に有用なコンテンツだったと思っています。

-書籍やセミナーだけだと「痒いところに手が届かない」と言いますか、分かりやすく詳細な説明がなかったような印象だったのでしょうか?

[増山様]
そうですね。書籍やセミナーは、ある程度の知識がある人を前提とした内容であることが多いので、いきなり初心者が学習するのには取っつきにくすぎる、という印象でした。

-そうでしたか。知識の定着のためのアウトプットのコンテンツ、演習問題や理解度テストなどについてはいかがでしたでしょうか?

[増山様]
結局MBSEって全体的に抽象的な概念という部分が大きいので、演習を通して具体的な事例に落とし込まないと、頭に定着しないのかなと思います。演習をやることで理解が深まったというところもありました。
演習問題のテーマが多数あったことや、「盗難防止システム」など我々自動車業界の人間にとって身近なテーマもあったことから、演習を通して理解しやすく知識が定着した、というような印象を持っています。

-続いて、高木様、MBSE伴走トレーニングのご印象・ご感想をお願い致します。

高木様

[高木様]
私もEureka Box受講以前は独学で勉強していましたが、増山と同様に、理解がいまいち・・・という感じでした。
今回の受講で一番良かったのが、『手を動かせる』『問題の添削をしてもらって自身の理解が深まる』という点で、自分としても身に付いたなと実感があったところです。
自分の考えについて、伴走トレーナーから客観的にフィードバックして貰うことで「そういうことだったのか」と理解が深まりました。

-伴走トレーナーから、週次で進捗レポートや演習のフィードバックをさせていただいていましたが、いかがでしたでしょうか?

[高木様]
そうですね、毎週フィードバックや学習計画のアドバイスが来ることで、「やらねばならぬ」という強いモチベーションにもなりました。
性格的に夏休みの宿題は最後にやるようなタイプなので、伴走トレーナーが適宜フォローしてくれる受講形式が合っていたのかなと思っていますね。
また、添削のほうでもしっかりフィードバックを頂けたので、一人じゃないんだな、自身の理解に併せて寄り添ってもらえているんだな、と好印象でした。

-続きまして、楊様はいかがだったでしょうか?
SUBARU|楊 博倫 様 (技術本部 E&Cシステム開発部 電子システム設計)
楊様

[楊様]
一番印象に残っているのは、演習の課題ですね。特に Enterprise Architect というソフトを使って、課題の解決に手を頭と動かして取り組んだことです。
実際に手を動かして知識と繋げていくことで、ようやく理解して学習できたと思います。
また、実務上でも使用する可能性があるソフトと紐づけて学んだことで、今後の実際の仕事で使う機会がくれば、必ず助けになるのではと思っています。

-小野内様はいかがでしょうか?
SUBARU|小野内 裕紀 様 (技術本部 E&Cシステム開発部 電子システム設計)
小野内様

[小野内様]
全体として、各コンテンツが数分と短い時間で纏まっていて、業務の合間で学習しやすく、学習の助けとなりました。
ただ、コンテンツや単元の内容によっては、短さに拘らず、もう少し長く解説を厚くした方が良かったのでは、と思えるものもありました。
演習問題については、楊の意見とも共通する部分がありますが、いわゆる研修だと、ただ受けっぱなしになってしまうものもあり、受講内容が自分のものになっているのか自分で確認するのがかなり難しいと思います。
研修などで演習問題がない場合は、得た知識を実際に業務で使ってみて、導入前と導入後でどういう差が出たかを自分で検証する必要が生じますが、Eureka Boxでは演習問題で自分のものにできたかを、その場で確認できるのは助けになりました。
また、演習問題を提出した際、伴走トレーナーからのフィードバックとして、「〇〇のレッスンを受け直すと、出来ていない部分が理解できますよ」というような、親身になったアドバイスも頂けたので、再提出になった時も納得感を持って取り組むことが出来ました。

 

受講後、実務にあたってコンテンツの参照利用も活用

-ありがとうございます。補足としてのご説明ですが、伴走トレーニングについては、一度受講したお客様は、その後も対象テーマのコンテンツの参照利用が可能です。
(※受講後の参照利用では、伴走トレーナーによるフォロー、演習問題の添削はございません)
実務で実施してみた際の振り返りなど、機会がございましたらぜひご活用いただければと存じます。
ちなみに、実際に振り返りでご利用される機会はありましたでしょうか?

[高木様]
はい、私は月に1回ぐらい見ています。やはり忘れてしまう部分があったりしますし、考え方として使えるなと思った際にコンテンツを参照しました。

[小野内様]
私も業務上で「これなんだったっけな?」「これとこれの関連性ってなんだったっけ?」が分からなくなってしまったり、「自身の業務で使っている使い方が世間一般と照らし合わせて正しいのか?」と疑問になった際に参考にしています。
ただ、実際に業務上で使っていると、必ずしもアカデミック、理論のままで全部適応していけるかと言うとそうでもない部分があるので、そこの擦り合わせを自部門でやっていく、という形になっていました。
たとえば、『物理制約をこの段階で織り込む』といったことが、先に設計段階で決まっていないものもかなり多いので、そこはEureka Boxの活用だけではなく、自分で業務を進めながら解決しなければいけないこともありました。

SUBARU_interview_11.jpg

 

要件同士のつながりの明確化→モデルへの落とし込み→検証可能な環境の実現、が受講目的

-受講にあたり、予めどんな成果を出したいという設定・目標などはありましたか?

[小野内様]
自業務 で当時MBSEの導入を進めており、用件設計からモデルで実際にMATLAB、SimLinkモデルで検証の用件をどうやって検証していくかという課題に取り組んでおりました。
その中で MBSEの活用スキルを向上させてビフォーアフターで検証したいと思っておりました。
 Beforeの状態としては、要件をモデル化し検証するにあたり、分解した要件をブロック図へ割り当てた際の繋がりを可視化できず、課題が生じている状態でした。
アフターの状況をどう持っていきたかったかと言うと、要件同士のつながりを明確化し、MATLABなどのモデルに落とし込み、検証可能な環境を構築することであり 、それを受講の目標にして取り組んでおりました。

[磯部様]
実施前はMBSEの存在や概要は知ってはいたものの、プロセス詳細やEnterprise Architectの使い方までは全く知りませんでした。実施後には、実際にEnterprise Architectを使って要件整備が可能なレベルに到達したいと考えていました。

-ありがとうございます。ちなみに、皆様の受講時のモチベーションは何でしたか?

[増山様]
「MBSEって何なんだ?」というのが、モヤっとしか分かっていなかったので、いい加減理解したいな、と思っていたのが大きなモチベーションでした。
世の中的にもMBSEがどんどん活用され始め、自社の中でもそのワードがどんどん飛び交っている中で、いまいち自分が理解できていないフラストレーションみたいなものもあり、この機会を活用して、まずはどういうものかの理解、その上で活用事例を通して自分でモデルを組むといった活用ができるようになりたいと思っていました。
そこに向けて、まずは知識を身に着けてMBSEを活用できるスタート地点に立つ、 というのが大きなモチベーションでした。

[高木様]
私も同様に、モヤモヤしていた部分を確認したいということと、もう一つは要求を明確にして共通認識を得たいというのが業務上であったんですね。
ちょうどそれがMBSEの考え方と同じだったので、これを習得すれば業務に活用できるなというのが大きなモチベーションでした。
あとは、Enterprise Architectの操作の解説がコンテンツとしてあったことも大きかったです。実際のツールとして使っていくにあたって、本当に丁寧に、初期設定から図を作るところまでの解説があったので、そういったところも魅力に感じましたね。

[楊様]
受講時は入社したばかりで基本知識が不足しており、そもそもシステム設計とは?という状況でしたので、Eureka Boxの受講によって、システム設計とその関連事項を一通り勉強しようと思っていました。

[小野内様]
先ほどお話したように、自業務 で当時MBSEの導入を進めており、その中で共に取り組むメンバーから「〇〇という問題が発生して、△△で解決しようとしています」という提案があった場合も、その内容がそもそも分からないという状況でした。
ですので、その問題と解決方法の理解が出来ないという状況をまず解決しよう、という自己課題感がモチベーションでした。

[磯部様]
当時はシステムに求められる要件を明確化・整備する業務を担当しており、本業務へMBSEを活用し、今後の開発でも活用可能なカタチで要件整備を行いたい、というのがモチベーションでした。

-受講の際、御社の受講者の方同士で相談や情報共有はされていましたか?

[増山様]
コロナ禍の状況で出社も難しかったこともあり、オフラインではあまり実施していなかったと思います。
ただ、Eureka Box上に自社専用の『コミュニケーションスペース』を作って頂き、自社の受講者なら全員が質問を投稿出来る中で、他の人がどういう質問しているのかも確認できたので、どういうところを疑問に思っているか、悩んでいるのか、躓いてるのか、という情報をコミュニケーションスペース上で共有することができ、参考になったと思っています。

[磯部様]
演習問題でどうしても正解に辿り着けないことがあり、そういった際に受講者間で相談をしていました。

 

USDMの事前理解で、MBSE学習のスタートがスムーズに

-MBSEの学習にあたっては、予めUSDMの基礎知識を習得されていることが望ましいこともあり、増山様、楊様、磯部様には予めUSDM伴走トレーニングをご受講頂いてからMBSEの伴走トレーニングをご受講頂きましたが、メリットなどは感じられましたか?

[増山様]
MBSEのスコープとして、まずはシステムの要件定義というところから始まるので、振る舞いの定義の仕方などについて、USDM学習で事前に理解できたという点で、MBSE学習のスタートがスムーズだったなと感じています。

[楊様]
私も同様ですね。 USDMを事前学習したことで「こういう時はこう記述するべき」というセオリーが頭の中にありました。

[磯部様]
メリットと言うかは分かりませんが、USDMとMBSEはどちらも“要求/要件整理”がキーワードかと思います。MBSEを学ぶ上での基礎知識となる部分を、USDM(要求/要件整理)を学ぶことで知ることが出来るため、USDMを事前に学習しておくとMBSEも理解しやすくなると思います。

-一方、それに対して高木様と小野内様は、いきなりMBSEからの受講でしたがいかがでしたでしょうか。

[高木様]
私は先にUSDM伴走も受けておけば良かったなと思いましたね。演習問題で要求定義の回答を出してみても色々と添削頂いたりしていましたので、先に受けておけば良かったなと思っています。

[小野内様]
正直なところ、先にUSDM伴走もやっておけばよかったなという思いはあります。
ただ、通常業務もある中での学習でしたので、時間制約的には学習するのは厳しかったのかなと思います。
MBSE伴走だけでもかなりの負荷にはなっていたんですが、それは予めUSDM伴走を受けていなかったから理解に時間が掛かってしまったためなのか、そのあたりは可能性の話になってしまうので、今となっては分からないのですが。
前提のUSDMについて分からない箇所は、適宜Eureka Boxスタンダード内を文言で検索を掛けコンテンツの該当箇所を参照しにいく、ということもしていました。

-逆に使いづらかった部分、こういうものがあったらいいと思った部分などがございましたら教えて下さい。

[小野内様]
先ほどの、MBSEのコンテンツを受けている中でUSDMの内容が出てくる際に、『この詳細については、USDM学習コンテンツのこの辺りを参照してください』のような、テーマを横断したサジェスト機能などもあると良かったかなと思いました。

[増山様]
受講する中で、コンテンツ内容を紙ベースで見たい、テキストがあると嬉しいなと思うことがありました。
あと、インデックス検索のような機能があるといいなと。見返す時に検索して「このコンテンツを見ればいいんだ」というのが分かると嬉しいです。
また、個人的なことになるかもしれませんが、動画を流しながら理解するのが難しく、結局動画を止めてまた再生してを繰り返して理解する、動画と同内容のテキストの内容を読んで理解する、という形でした。
動画の途中部分の内容を見たい、となった時に、早送りして見たい部分が動画のどこにあるか探さなきゃいけないのかなと思ったんですが、動画内で使用されているスライドが、同じコンテンツ内のテキストの中にも掲載されていたので、見たい部分にすぐアクセスできたので、非常に便利だと思いました。

[小野内様]
正常に進んでいった場合の設計では、といった例題が多かったと考えており 、『業務フローの中でこういう問題が発生しました。それは、どの業務中、どの段階で発生したものでしょう?』のような、逆説的な例題があっても良かったかなと思いました。
こうした業務の中で発生しうる問題について例示で学習出来ると、より実践に役に立つと思います。ただ、問題を作るのが難しいと理解しております 。

 

会社として、ハードからソフトの開発へ『リソーセスシフト』を整備・推進

-承知しました、頂いたご意見は、今後のサービス改善の参考にさせて頂きます。
最後に少し話は変わって、広く人材育成についてのお話なのですが、昨今「リスキリング」や「学び直し」のようなフレーズもよく聞こえてくるようになりました。
「こういったスキルを持った人材になって欲しい」など、御社でも会社側から社内人材の育成についての指針などが提示されているのでしょうか?

[増山様]
『リソーセスシフト』や『アドスキル』のようなワードによって、「ソフトウェアの開発人材を増やしたい」と会社の全体方針としては示されているのかと思います。
その前提としてあるのが、今後EV開発に軸足を移していくということと、伴うCASE【「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動運転)」「Shared & Services(シェアリングとサービス)」「Electric(電動化)」の頭文字をつなげたもの】への対応があります。
ソフトウェアによって新しい機能を追加していくなどの対応が更に今後、車の開発に求められてくると思いますので、そういった意味でもやはりハードからソフトへの開発といった『リソーセスシフト』を段階的に今推し進めている、整備していっている、という状況だと理解しています。

[小野内様]
今回のような『リスキリング』や『アドスキル』の取り組みを活用するかどうかというのは、あくまで各々の社員自身の自主性に委ねられているというのが会社の方針だと考えています。

-本日は貴重なご意見を頂き、どうもありがとうございました。

 

株式会社SUBARU
所在地
(本社)
〒150-8554 東京都渋谷区恵比寿一丁目20番8号(エビススバルビル)
資本金 153,795 百万円(2021年3月31日現在)
設立 1953年(昭和28年)7月15日
事業内容

<自動車>自動車ならびにその部品の製造、修理および販売

<航空宇宙>航空機、宇宙関連機器ならびにその部品の製造、販売および修理

URL https://www.subaru.co.jp/

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